長期投資は、①株式が長期的にみれば常に右肩上がりに成長し続けていることに加えて②複利の効果によって資産を増やすことを狙った投資手法です。
今回はこの複利効果について見ていきます。
複利の効果は短い投資期間では効果を実感しにくいですが、長期的に投資を継続すればじわじわ効果が大きくなっていき、大きなリターンを得られるといわれています。
この複利の効果を単利と比較して、長期投資において複利効果の影響の大きさを確認していきます。
計算した結果のグラフを見てもらえればわかると思いますが、投資期間が10年程度では複利の効果はあまり実感できないと思います。
実感できるのは20年以上投資を継続した場合でしょう。
また、複利効果を確認すれば、長期投資においては投資期間10年が長期投資においてはまだまだ入り口であるということが実感できるでしょう。
複利とは?
まず複利とは何だろう?っていう人向けに簡単に複利について説明します。
利子の計算方式は2種類あり、「単利」と「複利」と呼ばれます。
- 単利・・・利子を元金に組み入れず、預けた元本のみの利子
- 複利・・・生じた利子を元金に組み入れて計算された利子
ようするに単利は投資したことによって生じた利子を毎回受けとり再投資はしない状態であり、複利は投資によって生じた利子を再度投資に回す状態です。
つみたてNISAで投資を始めた場合、購入可能な投資信託は利子が自動的に再投資されるようになっています。
ただし、つみたてNISA以外で投資した場合、購入銘柄によって自分で再投資しなければならない場合があります。ご注意ください。
複利では元金+利子なのでどんどん利子が増えていくんだろうなというのは想像できると思います。
ですが気になるのは単利と複利ではどの程度の差が出てくるのか?ということです。
単利と複利によるトータル資産の違い
例として投資元本を100万円として年5%の利子で単利と複利の違いを考えましょう。
計算した結果のグラフが下図です。
元本100万円で投資をして年5%の利子の場合
10年後
- 単利;150万円
- 複利;163万円
20年後
- 単利;200万円
- 複利;265万円
30年後
- 単利;250万円
- 複利;432万円
となります。
10年後は単利と複利によるトータル資産の差は13万円でそれほど大きくはないように見えますが、20年後には65万円、30年後は182万円の差が生まれます。
つまり複利の効果ってボクシングのボディブローのように時間がたつにつれてじわじわ効いてくるのです。
もしかすると10年長期投資しているのに全然資産が増えないなって思うときがくるかもしれません。
でも、この単利と複利の効果のグラフをみるとわかるように複利の効果って10年程度の投資期間では実感できるほどのリターンが得られていない可能性が高いです。
長期投資で複利の効果を実感できるのは20年・30年と継続した場合になるでしょう。
大学卒業して社会人になってから投資を始めたとしたら、複利の効果を実感できるのは40~50歳になったときになるでしょう。
長期投資というものはこのくらいの時間スケールで考えていく必要があるということですね。
最後に
複利の効果は投資期間が長いほど効果が大きいことがわかりました。
ただし、複利の効果を実感するためには、投資期間が10年でもまだまだ短く、20年・30年程度投資を継続することでようやく複利の偉大さが理解できるようです。
この時間感覚はよく覚えておくべきです。
長期投資は止めないことが一番重要といわれますが、10年たってもあまり増えないのであれば投資する意味ってあんまりないんだなと思ってしまう可能性があります。
でも複利効果が実感できる時間スケールについて知っていれば、「10年ではまだまだ複利の効果が大いに実感できるほどではない。もう10年投資を継続すればじわじわ効果が出てくるはずだ。」と投資を継続するモチベーションにもなり得ます。
複利の効果を実感できる日を夢見て投資を継続していきましょう!