期投資のメリットは、投資期間が長いほどリターンが安定することと言われています。
でも実際のリターンのブレ幅はどのくらいの数字なのか?というのは詳しく知りませんでした。
そこで、日本株に関する収益率のデータから日本株の投資によるリターンから、長期投資のメリットと一国集中投資の懸念について考えました。
日本株のリターンブレ幅は-26.2%~72.1%
下表は1953年~2012年における東証1部上場時価総額の加重平均収益率になります。
収益率とは投資によって得られるリターンのことです。
下表は1953年~2012年までの期間、日本での投資によるリターンがどのように推移してきたかを知る指標になります。
まず、リターンの最大と最小を見てみると、
- 最大・・・1972年;+72.1%
- 最小・・・2008年;-26.2%
1953年~2012年の間に一年間だけ日本株に投資した場合、+72.1%のリターンが得られる年もあれば、-26.2%で損する場合もあったわけです。
1年毎のリターンだけを見るとブレ幅が大きいように見えますね。
例えば1000万円を投資した場合、1721万円になる年もあれば、738万円になる年もあったということです。
一般的に投資=ギャンブルと思われがちですが、1年という短期で、投資=ギャンブルといわれても仕方がないように感じます。
長期投資によってリターン幅は減少する
続いて投資期間によって1年あたりのリターンがどのように変化するかを見ていきましょう。
下表は投資期間ごとの1年あたりの投資リターンのブレ幅を表しています。
見てわかる通り、投資期間が長いほど1年あたりの投資リターンのブレ幅が小さくなっています。
1年の投資では+72.1%のリターンが得られる年もあれば、-26.2%で損する年もありました。
しかし20年以上の長期投資を行うと、1年あたりのリターンが一番少ない場合でも+4.5%となり、0%を上回り元本割れすることがなくなりました。
これが長期投資はギャンブルではないと考えられている理由です。
20,30代の人が将来に向けて確実に資産形成を行うための適切な手法の一つではないでしょうか?
日本株のみに投資するのはリスク大!?
最初の図と同じですが、下表は日本株に1年投資したときの年代毎のリターン推移になります。
この表を見て僕が思うのは、どうも日本株は全体的に投資リターンが右肩下がりに見えないか?ということです。
1950、60,70年代にもリターンが0%を下回っていることはありますが、1990年代以降明らかにリターンが0%を下回る年が増えています。
先ほどの投資期間によるリターンの変化は20年以上の長期投資になると、リターンはプラスになるといいました。
しかし、1952~1990年の間であれば、5年投資でもリターンはマイナスになることはありません。
このように1990年以前と1990年以降で日本の株式市場は大きく異なる様子を見せているように感じます。
これを見ていると今後日本株はどんどんリターンが減っていき、投資する意味はないのでは?という気がしています。
ただし、1990年以降のリターン0%を下回る原因はバブル崩壊とリーマンショックの影響が大きいと思います。
リーマンショックに関しては日本だけに限らず、世界中に大きな影響を与えていると予想できるので、2008年ごろのマイナスリターンは多くの国で起こっているのではないでしょうか?
そして、このデータには2012年以降のデータがありませんが、アベノミクス等によってリターンは上昇している可能性もあります。
つまり何が言いたいかっていうと今後リターンが右肩下がりなのか、それともリターンはある一定値で推移するのか、それとも右肩上がりなのか?どうなるのかわからないということです。
ただし、日本株だけに投資するのは、日本特有の状況の影響を強く受けるためリスクが高い。つまり、ある一国にだけ投資を集中させるのはリスクが高いのではと僕は考えてしまいます。
世界中の企業に広く分散するのが低リスクな投資方法
株式会社とは投資をしてもらって、付加価値を与えて市場に供給するものだと僕は考えています。
そして、付加価値を生み出す企業は生き残り、生み出せない企業は淘汰されていくと思います。
だから、トータルでみればリターンはプラスに推移すると僕は思います。
ただし、先ほどグラフから考えたように、ある1国の企業にだけ投資するのはリスクが高い行為だと思います。
米国株投資といわれる米国株のみに投資する手法をよく耳にします。米国市場の長期的に安定な成長率を考えると米国のみに投資するのが最適な投資方法だというものです。
考え方自体はなるほどと思い、僕自身も若干米国に多めに投資するようなポートフォリオを組んでいますが、やはり米国のみに投資するのはリスクが高く感じてしまいます。
だから僕は投資信託を利用して世界中の企業に広く分散投資する方法で長期投資を行っています。
最後に
日本株のリターンを見ていくと、1年という短期投資ではリターンのフレ幅は大きいですが、長期投資によりフレ幅が安定し、20年を超える長期投資では元本を下回る可能性がなくなります。
ただし、日本株のリターンは右肩下がりの傾向があるように見ることもでき、日本株のみに投資するのはリスクが高いように思います。
やはり投資信託を利用した世界中の企業へ分散投資するのが現状の僕にとって最適な投資方法だと思いました。
米国株などの他国株と比較してみるのもおもしろそうですね。